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執筆者の写真Hiroko Kawakami

学生と新しい取り組み。地衣類の知名度アップを目指そう!

研究室で長年取り組んでいる「地衣類」の研究。

私も学生時代から、地衣類の化学成分を分析したり、地衣類由来の菌類を培養し、その培養物から薬理活性成分を見出す研究をしています。


調査で自然公園や神社などに行き、景色や文化遺産を見ずに、木の表面や石壁にへばりつくように地衣類を観察している我々を見かけると、多くの方から「何を見ているんですか?」と声をかけられます。


「地衣類です。」と答えたいところですが、地衣類という生き物を知らない方もいらっしゃるので、

「コケのようなものです。」と答えます。


地衣類の知名度はとても低い。

もっと面白さ、不思議さ、魅力を伝えたい。


ということで、今年初めて自主研究のテーマとして「地衣類の知名度アップを目指そう!」というものを提案しましたら、学生さんが集まってくれました。

地衣類をモチーフにしたグッズや地衣類で染色した布小物を、秋の大学祭で展示・販売する時に、地衣類の資料をまとめ、地衣類のことを知ってもらう活動をします。

それだけだと研究成果はほとんどなくなってしまうので、地衣類染色に有効な化学成分の分析や、薬理活性成分の探索も行います。


初めての試みで、とても楽しみです。


先駆けて、実はずっと気になっていたものを作りました。

化合物の構造式のアクセサリー。

数年前から所属している学会の企業展示ブースでお見かけしていたUnclarus'さんにお願いして、「キサントン」ストラップとネックレスを作ってもらいました。


キサントンは私にとっては縁ある化合物群で、論文が掲載されたお礼に、一緒に研究に取り組んだ教え子にプレゼントもしたかったので、今回モチーフに選びました。



「キサントン」ストラップ(左)とネックレス(右)

今度作るとしたら、地衣類に独特な地衣成分であるデプシドやデプシドーンが良いかなと思っています。

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